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- 投稿者: isu
- カテゴリ: 文房具関連資料
- 公開日:2014年8月31日
シャープペンシルを集めていると、手に入れたものがどの年代のものかというのが気になることがあります。また、ブログ等で機構や部位を説明する時に、用語や正式名称を使ったほうがいいのかなと思うことがあります。そんな時に参考となるのがこの本です。
現在は日本筆記具工業会に統合された日本シャープペンシル工業会が、創立30周年を記念して1995年に刊行した「シャープペンシルのあゆみ」。この題字はぺんてる会長(当時)の堀江幸夫氏によるものです。なお、この本は市販されておらず、業界内で頒布されたもののようです。私が持っているのもコピーで、ある伝手を使って手に入れたものです。
目次はこんな感じです。国産シャープペンシルの機構、歴史、規格などはこの本を参照にすると大体わかります。
ノック式シャープペンシルの構造。かなり細かい部分まで説明があります。「中子」とかよくわからない部位にも名称があります。
年表です。これを見ると、何年ごろにこの芯径が開発・発売されたのかとかもわかります。ちなみに0.2mm芯の開発は1973年ですが、0.4mmについては載っていません。
この本はレファレンスだけではなく、読み物としても面白い。とりわけ第3章の座談会では、戦前、下町の飾り職人がリレー式の回転繰り出しシャープを考案した話や、戦後、高分子焼成による0.5mmシャープ芯を開発した時のエピソード(開発者本人による)などが書かれています。
先述のとおり、この本は恐らく部数も少なく、古本屋や図書館でも見つけることが難しいと思われます。工業会会員(メーカー)、業界誌系の出版社や問屋、あとおそらくは一部の小売店あたりに頒布されていたのでしょう(このあたりから古本で流れる事を期待するしかないかも)。ただこの本、全く読むことができない訳ではなく、実は表参道にある「文房具カフェ」で読むことができます。とりあえず、この本が読めるだけでも、シャープペンマニアは文房具カフェに行く価値はあるかと思います。
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