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- 投稿者: isu
- カテゴリ: 切貼用品
- 公開日:2014年9月15日
私は1973年生まれですが、私の小さい頃は、はさみといえば、柄の部分が黒く塗られた裁ちばさみとともに、金属の端をクルッと丸めてハンドルにしたこの洋ばさみが主流でした。樹脂製ハンドルのステンレスばさみは、私が幼稚園児の頃にはじめて使った記憶があります。それ以降は家でも文房具店の店頭でも樹脂製ハンドルが主流となり、この手の洋ばさみは見かけることがなくなりました。
そういうわけで、しばらくこの洋ばさみの存在を忘れていたのですが、あるとき文房具店で廃番品探しをしていた際にこの形のはさみをたまたま見つけ、その懐かしい形に興味を持ち、それ以降はシャープペン同様、文房具店巡りでの探索対象の一つとなっています。懐かしいというだけではなく、現在の樹脂製ハンドルはさみにみられる野暮ったくてチープな感じがないのも気に入っている点です。とはいえ、これらの洋ばさみに共通するのは、仕上げが雑で切れ味が今一つだという点。優雅なデザインとも言えるのですが、この仕上がりの悪さのために、ひどい場合はかえって現行のはさみよりも安っぽく見えてしまうのです。
そんなある日、刃物屋の前を通りかかったら、こんなステンレス製の洋ばさみを見つけました。「現品限り特価4,800円のところ2,800円」とあり、2,800円も事務ばさみからしたら高いとも思ったのですが、この形とその仕上がりの良さに購入しました。勿論刃のすり合わせや切れ味も優れています。今まで集めていたのはこのはさみを模して安価な製法で作っていたものだということと、はさみならやはり文房具屋よりも刃物屋だという当たり前の事実にも、この時点でやっと気づいた次第。これ以来、街歩きのさいには、文房具店とともに刃物店もチェックしています。現在、この形のはさみを作っている職人はいないということなので、これも一種の廃番?収集となっています。
刃物屋での洋ばさみの存在を知ったあと「刃物あそび」というサイトで「三つ葉」のステンレス洋ばさみを知り、これも刃物屋で見つけた時は、その繊細な仕上がりに驚きました。他にもひと昔前の洋ばさみでは、ステンレスではない鋼刃着けばさみの柔らかい切れ味も魅力的です。もちろんこれらのはさみも、意匠だけではなく、この仕上げや製法では二度と生産されることはないでしょうね。
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